2009/04/18
こつこつ修正する……

最近、仕事が急に増えてきたので、常に、複数の原稿執筆が併走している状態です。一応、締め切りに順番はあるのだけれど……締め切りが早いほうの作品が、突然、進まなくなったりすることもあるので、そのときには、二番目の原稿のほうを手がけてみたりします。
で、いまは、SFの長編と平行して、文庫版『ラ・パティスリー』の本文修正をやっているのですが、やり初めてみたら、これが結構、手間のかかる作業なのでした。
今回は、元版の発刊以降、関西の洋菓子事情が変化しているので修正したかったのと、この文庫版発刊直後に《続編》が出るので、ふたつをスムーズにつなげるため、少々、手を加えているのですが……。
やり初めてみると、かなり、面倒くさい(汗)
というのは、文庫版・正編→続編の流れで読む新規読者は、『ショコラティエの勲章』を読まない可能性があるので、こちらを読まなくても、文庫版・正編→続編で、うまくキャラクターがつながるように……と思ってエピソードの差し替えをしてみたのですが、この作業が、やはり体力を使う。
それでも、四月いっぱいで仕上げる予定です。
ここしばらくの間、人がたくさん死んだり殺したり殺されたりという話ばかり書いていたので、お菓子の話を書いていると、ちょっと心が和みます(笑)
エピソードを足し引きした結果、ページ数は少し減りました。諸々の情報関係も削っているので、全体の印象もすっきりしたものになっています。
基本的なストーリー展開は元のままです。
ある日突然、謎のパティシエが出現して、ある菓子店の日常に絡んでいく。いろんな影響を与えた後、彼は静かに去ってく……。
最終エピソードとして、ショコラ・ルームを独立させるときの話を、ほんの少しだけ書き足しました。
実際の出版はまだ先ですが、よろしくお願いします。
2009/01/20
長編版《魚舟》執筆中です

短編集が無事出ましたので、いまは新作を執筆中です。この長編は「魚舟・獣舟」と同じ世界観で書かれた作品ですが、これが出版される経緯には少し説明が必要かと思います。
私がもともと構想していたのは、実は、こちらの長編版のほうでした。「短編」から「長編化」という流れではなく、当時、この長編版の発表の場がなかったため、短編の形でもいいから世に出すことができれば……と、ずっと機会を待っていたのです。
そんなとき、たまたま「異形コレクション」の《進化論》の回に原稿依頼を受けまして、このテーマが構想中の長編とぴったり一致していた……。その瞬間、これは《天啓》だと思いました。
いま書かなかったら、いつ書くのだと。
しかし、「異形コレクション」の原稿は、四百字詰め原稿用紙換算で四十枚前後という縛りがあります。この中にメインとなる世界観とアイデアを入れるには、長編とは完全に別の物語が必要でした。こうして書かれたのが、「異形コレクション・進化論」に掲載された『魚舟・獣舟』です。
これが世に出たおかげで、元の長編を引き受けてもいいと言って下さった編集さんと出会うことができました。ですから、短編で描いていない部分は、現在執筆中の、この長編のほうに出てきます。
・魚舟は何を食べて生きてるの? とか
・《操船の唄》ってどんな歌? どうやって歌うの? とか
・居住殻の中はどんな作りになっているの? とか
・魚舟が完全に海面下に潜ったとき(居住者にとっては視界が完全に絶たれる)海上民はどうやって魚舟を操船するの? とか
・陸はどの程度残っているの? 政治は、どういう形で動いているの? とか
これらの回答は、すべて長編版の中にあります。
短編版を読んで疑問を抱いた方、しばらくお待ち下さい。
長編版の発刊は、二〇一〇年以降の予定です。
※追記※(2009.2.12)
右記作品は、「SFが読みたい 2009年版」(早川書房)のJコレクション刊行予定リストにあがっている『華竜の宮』のことです。ただし、タイトルは仮題です。
2008/12/07
ぼーっとしています

短編集『魚舟・獣舟』の仕事が、ようやく一段落つきました。来週、再校ゲラで少し直す箇所がありますが、実質的な執筆作業は終了。あとは、著者見本が来るのを待つだけです。発売は、来年の一月十日の予定。なのでいまは、脱力してぼーっとしている時期……。
おかげさまで、文庫版『火星ダーク・バラード』は、よく動いているようです。読んで下さった方々からは、好意的な反応も頂きました。『魚舟・獣舟』に収録される書き下ろし番外編とセットで読んで頂きますと、さらに世界観の輪郭が、はっきりすることと思います。
もともと群像劇として考えていた作品なので、これでもまだ描き足りていない部分はたくさんありますが、公の形で出版されるエピソードとしてはこれで最後になります。残った細々とした枝葉は……将来、電子出版がもっと手軽になったときに、オマケみたいな形で発表するのがいいんじゃないかなと考えています。
とにかくこれで、デビュー以来引きずっていた未解決事項は、全部完了しました。来年からは、作家として、新しいフェーズに移行することになります。